<男子ゴルフ:HSBC選手権>◇2日目◇6日◇上海・■山国際GC(7199ヤード、パー72)◇賞金総額700万ドル(約6億3000万円)優勝120万ドル(約1億800万円)

 【上海(中国)阿部健吾】石川遼(18=パナソニック)が世界の壁を駆け上がった。前日38位から、1イーグル、5バーディー、2ボギーの海外ツアー自己ベスト67で回り、通算5アンダー。首位に5打差の10位と優勝争い圏内に浮上した。前半5番からは海外ツアーでは初、日本ツアーを含めても自己最多タイの4連続バーディー、さらに14番ではイーグルを奪った。首位には10アンダーでタイガー・ウッズ(米国)、ニック・ワトニー(米国)が並ぶ。日本勢は小田孔明(31)が通算5アンダー10位、丸山大輔(38)は23位、片山晋呉(36)は37位、池田勇太(23)は55位だった。

 思わず声が出た。「これ、いいんじゃないの」。14番563ヤードのパー5の第2打。残り251ヤードで風はアゲンスト。3番ウッドで放ったショットの好感触に、石川が酔いしれた。ボールは池を越えてグリーンでバウンドすると、ピン左50センチへピタリ。中国人ギャラリーからは「好球!(ハオチュウ)=ナイスショット」の声。世界ランク50位中26人がそろう舞台で、14番では出場78人中ただ1人の「老鷹(ロォーイン)=イーグル」。一気に世界の階段を駆け上がった。

 「自分で自分を盛り上げていく感じで久しぶりにいいラウンドだった」。ドライバーは14回中11回フェアウエーをとらえた。トップからの切り返しでヘッドが先行しないことが今の課題。同組のキムのスイングに目を凝らし「そういう観点で見せてもらいました」。

 自信の武器がさえると、自然にパットも入り出す。5番で6メートルを沈めると、続けて3メートル、2・5メートル、3メートルを沈めた。いずれも切れて、曲がるライン。「あそこまで微妙なパッティングが入るのはなかなかない。今日は入った時に限らず、スムーズにパッとラインが決まった」と自賛した。4連続バーディーは、海外では初めてで、日本ツアーを含めても5度目。自己最多タイ記録だった。

 まるで日本にいるように「居場所」がある。ホールアウト後の練習場では、7日3日目に同組で回るビジェガスと長話。「僕が17週連続で試合やるのがプレジデンツ杯でも話題になってて、いま何試合目か聞かれた」という。同時に「あり得ない。体のことをもっと考えた方がいい」と真剣に忠告もしてくれた。マスターズなどでは「『自分がこんな舞台にいて良いのか』と悪い意味で勘違いがあった」という。それが10月プレジデンツ杯で世界選抜として戦ったことで「遠慮したらいけない。堂々としていよう」と、どんな大舞台でも自分のゴルフに徹する固い意志を持てるようになった。

 「ボードの上にはすごい名前がある」。首位に立ったのは世界ランク1位のウッズ。スコアはそのウッズと同じ67だった。「明日のラウンドで我慢して3つでも伸ばせれば、スコア次第では優勝争いに加われるかもしれない」。全英オープン、プレジデンツ杯に続く5度目の対決へ。王者への挑戦権をかけた3日目になる。※■は全の王が示