石川遼(18=パナソニック)が秘密兵器で、初日の鬼門を突破する。国内メジャーの日本ツアー選手権シティ杯宍戸は3日、茨城・宍戸ヒルズCC(7349ヤード、パー71)で開幕。2日の練習ラウンドで、石川はトレーニングで使う5キロのメディシンボールを両手で持って素振りを繰り返した。

 秘密兵器の狙いは、飛距離と安定性の向上にある。メディシンボールを持つことで、手先の動きを抑え、上半身全体でのスイングを覚え込ませた。「腕と体の一体感を意識しやすい」と効果を口にする。ボールは5キロと重いため、腹筋、背筋、握力などのトレーニングにもつながった。

 鬼門突破の思いも、秘密兵器導入の理由の1つだ。今季の国内ツアーは初戦が鬼門。ギネス記録の58を出して優勝した4月の中日クラウンズは17位、前週ダイヤモンド杯も100位と1けた順位はゼロ。「スタートダッシュできれば、2日目以降も、すっきり前向きになれる」と初日の重要さを口にした。

 ギネス記録達成後は不振が続いたが、前週3日目には5アンダーの67を出すなど復調気配はある。「そろそろじゃないかとの気がしている」と、初の日本タイトル獲得へ、初日からのエンジン全開を誓った。【田口潤】