オフトレは“藍流太極拳”で!?

 石川遼(19=パナソニック)は10日、埼玉県内でテレビ朝日系正月特番「夢対決

 2011

 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!

 5時間スペシャル!!」の収録に参加し、宮里藍(25)と約1年ぶりに共演。宮里が練習で行う、1分間かけてスイングする「太極拳スイング」に挑戦し、オフシーズンの練習に導入することを決めた。ウオーミングアップと悪癖チェックが目的で、賞金王奪還を期す来季に向けて生かしていく。

 収録前の朝の練習場で、石川がどうしても聞きたかったことがあった。テレビを通して見てきた、練習で宮里が行っている「ゆっくりスイング」。昨年12月のプロスポーツ大賞以来1年ぶり3度目の対面だが、一緒にプレーするのは初。ここぞとばかりに質問した。

 石川

 アメリカで取り組んでいるのを拝見したんですが、いまでもやってるんですか?

 宮里

 やってるよ。

 石川

 僕もやってみます。

 動作確認と筋力アップを目的にした通称「太極拳スイング」。さっそく本人の目の前で実践してみた。「遼クン、うまいね」と褒められたが、石川自身はその難しさと効果に目を見張っていた。

 「きつい。筋肉の隅から隅まで刺激していくような。頭のてっぺんから足の指先まで神経が行き届いてないとできない」。これまで、速い動きで素振りを繰り返していた時には感じられなかった、繊細な筋肉の動きを実感した。速度を落とすことで「いつのまにか体が開いていたり、(上半身と下半身の)捻転差がなくなっていたり」と、普段から課題にする悪い癖が表面化。「すごいためになりました」と導入を即決した。

 効能はもう1つある。「2~3回やるだけでかなり温まる。下手にポンといきなり打つより、いい練習になるな~」。寒さの中で行う、冬の練習対策だ。賞金王を逃した今年は、「オフとか考えず、素振りをして、ボールをたくさん打って、来季につなげたい」と意気込む。ゆっくりと体を動かし、温めてから、練習に臨むことにした。

 宮里が「太極拳スイング」を導入したのは07年。スイングを改造することが目的だった。その後、09年に米ツアー初優勝し、今季は5勝を挙げる活躍につなげた。石川もウッズをヒントにした新スイングに、11月から取り組んでいる真っ最中。来季の賞金王奪還には、オフでの新スイング完成が鍵を握る。「優しいお姉さんというか…。優しい雰囲気もありつつ、きりっとしてて。そこらへんはすごい」と話す“姉”から教わった独自トレが、その最高の後押しになるはずだ。【阿部健吾】