<男子ゴルフ:タイ選手権>◇3日目◇17日◇タイ・アマタスプリングCC(7453ヤード、パー72)◇賞金総額100万ドル(優勝賞金15万8500ドル)

 石川遼(20=パナソニック)は1バーディー、3ボギー、1トリプルボギーの77とスコアを落とし、通算8オーバー224の67位に後退した。マスターズ出場圏内にある現在の世界ランク50位を守るためには、37位以内に入ることが最低条件。子供のころから夢だった「20歳のマスターズ」切符を年内に獲得することは絶望的になった。世界ランク3位リー・ウェストウッド(38=英国)がスコアを1つ落としたものの、通算19アンダーで初日から首位を守った。

 

 淡々と振る舞う姿が、逆に言葉にできない悔しさを物語った。2日連続77と崩れ、67位に後退。それでも石川は「今日は良いショットもあった。安定させるために(練習を)繰り返していけばいいです」と努めて冷静に対応した。

 後半は大荒れだった。11、15番とパー5のチャンスホールでボギーをたたく。ショックを引きずった16番パー4では、第2打をグリーン奥に外すと、第3打をチョロ。バンカーのへりで左打ちした第4打はグリーンをオーバーして花道へ…。結局トリプルボギーと後半だけで5つもスコアを落とした。

 年末まで現在の世界ランク50位以内を守れば、来年のマスターズ出場権が手に入る。小学校時代から夢見た「20歳マスターズ」。思いは強いが、低迷の原因を重圧のせいにはしない。「年末まで際どい位置にいるのは自分の責任。この試合でスコアを落としたことも自分の責任」と背負い込むように言った。

 この日、アジアツアーは今大会37位以内に世界ランクのポイントを与えると発表。年内の来年マスターズ出場権獲得のためには、37位以内が最低条件。絶望的な状況に陥ったが「5、6個以上のバーディーを目指してやるしかない」。来年の切符獲得に向けても、最終日はいい形で終えたい。【田口潤】