石川遼(20=パナソニック)が米ロング遠征で米ツアー来季シード権の奪取だけに集中する。21日に最新の世界ランキングが発表され、石川は先週58位から59位にダウンしたが、60位以内という全米オープン(6月14日開幕、米カリフォルニア州)の出場資格を得て3年連続の出場が決定。同日に5週間の米遠征に向けて離日した石川は「日本で優勝争いできずに苦しい流れでしたが取れたのは素直にうれしい」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

 この時点で60位以下となった場合、大会前までに60位以内に復帰しなければならなかっただけに、シード権(今季賞金ランク125位以内)獲得に専念できる環境が整った。国内ツアー5戦では優勝争いができなかった石川は「今の自分に足りないのは粘り。死に物狂いで、今だからできる、今しかないと思ってやりたい」と表情を引き締めた。

 今遠征の2戦目のザ・メモリアルトーナメントは「何年も前からプレーしたかった」大会。ニクラウスの設計したコースで、以前からニクラウスから出場の打診を受けていた。「シード権は大丈夫くらいの状況までやって帰ってきたい」と気持ちを切り替え、米ツアーの舞台に乗り込む覚悟を示した。【藤中栄二】