【宇良の世界(後編)】時間の有効活用を目指すミニマリスト「モノの2軍はいらない」

宇良(33=木瀬)は、モノや時間を大切にしながら生きています。シンプリスト、ミニマリストであろうとしています。

宇良の生き方や考え方に迫る連載「宇良の世界」の「後編」は、宇良の素顔に少しだけ触れました。

大相撲

◆宇良和輝(うら・かずき)本名同じ。1992年6月22日生まれ、大阪府寝屋川市出身。4歳で相撲を始め、中学時代はレスリングに転向。京都・鳥羽高で相撲を再開し、関西学院大に進学。2011年全国学生個人体重別選手権65キロ級で優勝、13年世界コンバットゲームスの相撲軽量級金メダル。木瀬部屋に入門し、15年春場所初土俵。16年夏場所新十両、17年春場所新入幕。右膝の負傷により、一時は序二段まで番付を落としたが、幕内に復帰。24年初場所新小結。172センチ、139キロ。

シンプリスト

あまり知られていない宇良の裏の顔は、シンプリスト、ミニマリストを目指していることだ。

◆シンプリスト持ち物の量に関係なく、生活の要素を単純化し、自分にとっての心地よさを重視する人のこと。

◆ミニマリスト自分にとって必要な物を厳選し、不要な物を持たずに生活する人のこと。持ち物を減らすことで、時間、心、金銭的な余裕が生まれる。

宇良はミニマリストとシンプリストの違いについて「その意味合いがだいぶ変わるかといったらそうでもない。ミニマリストは究極を思い浮かべちゃうんで、シンプリストの方が表現が穏やかですね。志しているのは一緒です」と話している。

竜電(右)を伝え反りで破る宇良(2024年1月28日撮影)

竜電(右)を伝え反りで破る宇良(2024年1月28日撮影)

きっかけは、コロナ禍だった。「周りを見渡すと、物があふれているなと思ったからですね。コロナ禍で物を見た時、ほとんど自分で買ったものはなかったんです。だから、すっきりさせたいと思ったのかな。いろいろめんどくさくなったのかもしれません」。

人気力士ゆえに、プレゼントをもらうことが多かった。「一番の目的は、時間の有効活用を目指したミニマリストですね。自分の時間を増やすために始めました。お下がりをいっぱいもらって喜んでいたり、知らない人から物をもらったり…。新品だったら、捨てづらかったり…。こういうのから勉強して、ミニマリストを勉強すればするほどはまっていきました」。本を読んだり、YouTubeを見たりしながら、知識を身につけていった。

御嶽海(左)をとったりで破る宇良(撮影・清水貴仁)

御嶽海(左)をとったりで破る宇良(撮影・清水貴仁)

自室では、掃除する必要がないように日ごろからの整理を心掛けている。「掃除機をかけなくていいようにしています。例えば、物が1個置いてあると、3手かかるんです。どかして、拭いて、置く。3手かかるとやる気をなくす。掃除の手数を減らしていくことで、時間の余裕ができてきます」。今は、不要なものは受け取らない。ファンからもらうのは、ギフト券と手紙だけ。「物はいりませんと、自分から発信しています」。すでにこの考えは、ファンに浸透しているという。

セームタオルを愛用

巡業中の移動用カバンは、完璧に整理され、無駄がない。100均や3コインズを愛用する。使うタオルも最小限だ。

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。