【フォートワース(米テキサス州)22日=塩畑大輔】石川遼(20=パナソニック)が、プロ入り以来連れ添うエースキャディーの加藤大幸さん(29)とのコンビを“一時解消”する。今週のクラウンプラザ招待(米テキサス州コロニアルCC)を皮切りに、6月7日開幕の全米オープンなど5週間5試合を戦うが、その都度現地でハウスキャディーを起用することになる。

 最重要課題の「米ツアー賞金シード獲得」へ向け、大きな賭けに出る。22日、初めてコロニアルCCに足を踏み入れた石川は、ハウスキャディーと練習ラウンドを始めた。プロ入り以来常に寄り添ってきた加藤キャディーの姿はない。石川は「今回は連れてきてません。とりあえず、この5週間は」と説明した。

 加藤キャディーは、中央学院大在学中に日本オープンに出場するなど、選手の気持ちも知り尽くしている。石川に付いて米ツアーやプレジデンツ杯への出場を重ね、海外の多くのキャディーともパイプがある。オフも石川が自宅近くで練習を始める可能性を考え、埼玉県内の自宅で待機するなど、文字通り365日を石川にささげてきた。

 しかし、今回は全米オープン以外、すべて初出場の大会となる。この間にシーズン終了時点での125位以内という、来季米ツアー賞金シード権を“当確”とするためには、現在の59万6230ドルから、さらに20万ドル前後を稼がなければならない。これまで以上に結果が大事な連戦を前に、重い決断が必要になった。

 「信頼度」か「知識」か-。09年の全英オープンでもコースを熟知したハウスキャディーを起用したことがあった。ドッグレッグが多いコロニアルCCなど未知かつトリッキーなコースでの戦いに備え、石川は「知識」を取るに至ったとみられる。「今季これまでの戦いは、この5週間のためにあったと言っても過言ではない」と言い切る石川が、言葉通りに勝負に出た。