【パームスプリングス(米国)14日=塩畑大輔】石川遼(21=パナソニック)が、新スイングと新クラブで世界最高峰の舞台に挑む。米ツアー本格参戦初戦となる、17日に米カリフォルニア州PGAウエストで開幕するヒューマナチャレンジに向け練習ラウンド。新しく契約したキャロウェイのクラブを手に、下半身の無駄な動きをセーブした新しいスイングでピンを攻めた。

 大会での使用コースの1つ、ラキンタCC。大きな木々が左右からせり出し、非常に狭く見えるホールを、石川は昨年とは明らかに違うスイングで攻めた。下半身の動きをできるだけ抑え、上半身だけを大きくひねって、ねじ巻きの要領で生まれた反動でショット。見た目のダイナミックさは減るが、効率よく力をボールに伝えた。

 「バックスイングで動きにムダがあった。最小限の動きで、上半身と下半身に最大限の捻転差を生みたい」と説明する。昨年末のタイ選手権では11位だったが、3日間同組で回ったマスターズ覇者、B・ワトソンに勝るとも劣らないショット精度を誇っていた。

 それでもあえて、久々のスイング大幅改造に取り組むのは、高い目標があるからだ。11日、マスターズに特別招待での出場が決定した。出場はうれしいが、世界ランク50位以内など、自力で出場権を得たかった。

 「特別招待は光栄。でも目標は変えずにやります。世界ランクやツアーでの優勝など、最終的に別のカテゴリーで出場したい。アジアの代表、日本の代表として選んでいただいた責任がある」。マスターズ後も活躍し、実力を示す必要がある。腰などへの負担を減らし、機能的なスイングへの移行が必要なのだ。

 今年から使うキャロウェイのクラブの感触もつかんだ。「キャロウェイのスタッフには、もっとクラブに注文をつけてほしいと言われている。シューズも今、素材を指定したものをつくってもらっています」。さらに機能を追求する。

 ◆ヒューマナチャレンジ

 プロアマ形式で3日間の予選ラウンドを行う変則開催。メーン会場のPGAウエスト・パーマーコースに加え、ニクラウス・プライベート、ラキンタCCの計3コースを1ラウンドずつ回る。決勝ラウンドはPGAウエスト・パーマーコース。石川は「3コースすべて芝の種類が違う」と話し、すでにパーマーコースの後半9ホールを除く45ホールを練習ラウンドで視察した。