7位から出た木戸愛(25=ゼンリン)が69で回り、通算4アンダー140で2位に浮上した。8番ではチップインバーディー、18番パー5では10メートルのイーグルパットを沈めるなど、オフの小技強化の成果が出た。12年7月のサマンサタバサ・レディース以来のツアー2勝目のチャンスをつかんだ。

 18番パー5、木戸は残り217ヤードの第2打を5番ウッドでピン右10メートルに乗せ、強烈なフックラインを見事に流し込んだ。17番でボギーをたたいただけに「倍返しできました」と明るい笑顔を見せた。

 昨年から男子ツアー5勝の芹沢信雄(55)に指導を受け、弱点だった小技を磨いている。オフの合宿も6割は小技の練習で、1日に6時間費やす日も。特にアプローチでは右手だけでハーフショット、次は左手だけで、最後は両手で打つというドリルを繰り返し、スイング軌道を安定させる効果があったという。

 それが実ってこの日は「自分のパットを信じてやれました」「アプローチはイメージ通りで楽しいです」と振り返るほどだった。

 1月からは芹沢の言葉をノートに記して整理し、バイブルのようにツアー会場にも携帯している。先週フジサンケイ・レディースで予選落ちすると、「そこに自分がいない悔しさをバネにするよう」と最終日のテレビ観戦を命じられ、それも糧になった。

 この日は同じ芹沢門下生の西山も上位争い。普段は「私も頑張ろう」と発奮材料になるところが、「今日はいい意味で自分に集中して、周りは気になりませんでした」。12年の初優勝後、5度目の最終日最終組。持ち前のショットに小技の上達が加わり、待望の2勝目に向けて「準備はできています」と言い切る。だからこそ「優勝は意識しないでいこうと思います」と話し、「やるべきことをやれば、結果はついてくる」と続けた。【岡田美奈】