勝みなみ(16=鹿児島高2年)が初の「女子アマ日本一」のタイトルにあと1勝に迫った。準々決勝で安田祐香(14=兵庫・原田中3年)を1アップで下し、準決勝では佐渡山理莉(15=沖縄・緑風学園久志中3年)を4アンド3で退けて決勝進出。ショットはいまひとつながら、ツアー競技で培った技術と粘りで勝ちきった。決勝は今日27日に36ホールで争われ、相手は中国国籍の王天■(おう・てんよ、16=高松中央高1年)となった。

 勝のプロ舞台での経験が勝機を呼んだ。この日は晴れてグリーンが速くなり、ピン位置も高難度に。それでも「全然気がつかなかった」と目を丸くした。イーブンで迎えた準々決勝18番は、2段グリーンの傾斜のすぐ上にカップが切られ、キャリーが足らずに大きく転がり落ちる選手が多かった。勝はピンまでの距離をしっかり打ってピン奥4メートルにし、下りスライスを見事にラインに乗せてガッツポーズ。勝負を決めた。

 「プロの試合の最終日にはああいうピン位置はありますし…」。昨年4月KKT杯バンテリン・レディースで優勝した後、先週ニチレイ・レディースまで計13試合のツアー競技に出場、厳しい局面は何度も通ってきた。「それが生きていると思います」。準決勝の13番では、左の木の下から第2打で残り60ヤードに運ぶのがやっと。そこからの第3打で3メートルにつけて「ガッツパーです」。4ホール連取で4アップとした直後だけに「あれが入らなければ流れが変わっていた」という勝負どころで粘った。

 前日は計37ホールの長丁場で、宿泊ホテルの温泉にゆっくり入り、キャディーを務める母久美さん(48)にマッサージをしてもらって就寝した。すると“吉兆”となる夢を見た。中学時代の設定で、ゴルフをしないいとこに指導してもらうと、それが当たって翌日の試合に12アンダーで優勝。正夢になるか? 「12アンダーはちょっと…」と首をかしげた後、36ホール勝負と気づいて「66、66か!」と瞳を輝かせた。

 今大会は決して絶好調ではない。だが、勝には勝負強さがある。「ゴルフって不思議ですね」。泣いても笑っても、あと1試合だ。「ここまで来たら、勝ちたいです!」。昨年の日本ジュニアに続く、日本タイトル2冠目はもうすぐだ。【岡田美奈】

※■は女ヘンに予