藤本佳則(25=国際スポーツ振興協会)が6バーディー、3ボギーの68をマークし、通算6アンダー、136で首位と4打差の4位タイに浮上した。かねて右手首の腱鞘(けんしょう)炎に悩まされているが、ミツバチの毒を利用したはり治療を取り入れるなど、必死のケアで状態も徐々に上向き。新規大会のホストプロとして、初代王者を狙う。

 藤本は最終9番の第3打をピタリと寄せ、悠々とバーディーで締めた。「いいバーディーも、もったいないボギーもあった」と振り返りつつ「もっと伸ばせたか」という質問には笑って首を振った。「こんなもんかな、と」。控えめな発言の裏に、テーピングを巻いた右手首の問題がある。5月の関西オープンから違和感、同25日の全米オープン予選は欠場した。

 そこで試したのが少量の毒液を針につけて体内に入れ、免疫力を引き出して痛みを軽減する「蜂針療法」。古代エジプトやバビロニアでは紀元前2000年頃から行われていたといわれる、4000年もの歴史を持つ由緒正しき治療法だ。直後のミズノ・オープンで2位発進し、結果も32位とまずまず。今大会もはり、超音波治療に痛み止めの注射と入念にケアして臨み「手首にかかりっきりですよ。でも、1週間前よりは全然いい」と表情は明るい。

 昨年から毎週月曜日は神戸のジムに通い、今季ドライビングディスタンス6位と165センチの身長を感じさせない飛距離を誇る。同組には11年のマスターズ覇者シュワーツェルもいたが、2打差をつけた。「予選落ちしなくて良かった」。東北福祉大の先輩で所属も契約メーカーも同じ谷原は、ケガの影響もあって予選落ち。藤本がホストプロの意地を見せる。【亀山泰宏】