勝みなみ(16=鹿児島高2年)の「女子アマ日本一」の称号は、母久美さん(48)と二人三脚で獲得したものでもあった。

 久美さんはマッチプレーとなった第3日からキャディーとして勝をサポートしていた。

 勝負が決した直後は明るい笑顔だった勝が、クラブハウスまで戻るカートの中で「母が涙ぐんでいたので、もらい泣きしてしまいました。母も思うところがあったのかな、と…」と目を潤ませていた。これまで何度もキャディーを務めてきた久美さんだが、初の“優勝キャディー”となったのがビッグタイトルだ。3日連続の2ラウンドプレーで「(母も)つらかっただろうな」。

 今回は2週前のサントリー・レディースからニチレイ・レディース、今大会と3連戦。7日に鹿児島の自宅を出てから1度も戻っていない。16歳の勝でも疲れがたまりそうな状況も、「疲れはない。吹っ飛んだ。母が毎晩マッサージをしてくれて、疲れがとれました」と感謝する。

 今大会は決して絶好調ではなかった。いら立つ場面もある勝を、久美さんは「それを受け止めて、なだめたり、励ましたり、話を切り替えたり…」(久美さん)と、母しかできない“援護射撃”で勝機を呼び込んだ。