23位から出た藤田寛之(46=葛城GC)が2打差3位に急浮上した。8バーディー、ノーボギーの64と猛チャージで通算15アンダー201に。日本ゴルフ界の第一人者ながら、世界のトップ選手に成長した松山英樹の今季国内ツアー初出場に「胸を借りてどこまでぶつかっていけるか」と日本勢を一喝した。

 ビッグスコアをたたき出し、日本選手最上位で優勝争いに加わった藤田が、その話はそっちのけ? 松山について熱く語った。「彼は世界ランク15位、僕は100位以下(185位)。胸を借りて、日本人はどこまで通用するか、ぶつかっていかなくては」。松山の1組前でのプレー。「やはり一緒に回りたい。彼のプレーを見たい。世界のゴルフをね」と思いを明かした。

 日本の若手へのメッセージでもある。「特に(松山と)同世代の人にやってほしい。勢いのある小平は2連覇もかかっているし、がっつり勝って自信をつけてほしい1人」。今年は全米オープンと全英オープンに出場し、現地で松山が堂々の優勝候補に挙げられたことを肌で感じた。「そんな選手がここに来てくれて、ありがたいなあと。もうみんな松山を見た方がいいんじゃないの? プレーしている場合じゃないよ」と“極論”まで飛び出した。

 藤田自身も全英帰りの強行日程で、時差ぼけやコース状態の差に苦しめられている。それでも全米オープンの翌週のISPSハンダ杯にポールターら海外選手が多く来日した例を挙げ、「こういう中でもやれなければ」と語気を強めた。

 すべて日本ゴルフ界の底上げを望むからこその苦言だ。「自分が46歳でトップにいるのはおかしい」と若手の奮起を促す。最終日に「打倒松山、打倒藤田」と奮起する選手が増えれば、さらに熱い戦いが繰り広げられるはずだ。【岡田美奈】