5年目の青木瀬令奈(22=三和シヤッター工業)が5バーディー、ノーボギーの67で回り、トップタイに立った。石川遼の恩師、吉岡徹治氏が設立した「マジックジュニアアカデミー」の1期生。高校時代はこの新規大会の会場となった鳴沢GCでも腕を磨いており、この日唯一のノーボギーと“地の利”を生かしたプレーを見せた。

 青木瀬が勝手知ったるコースで好発進だ。93年の開場以来初めて女子プロゴルフトーナメントを開催する鳴沢GC。うねりのきついグリーンに苦戦する選手が多い中でノーボギー。2番でピンそば4メートルにつけてバーディーを奪うと、そのままスコアを伸ばし続けた。「高校の時に何十ラウンドもやってましたから。6年前ですけど『ここはピンを狙って打っちゃいけないな』とか覚えてるし、いいイメージでやれました」と満面の笑みで振り返った。

 前橋商高2年時から1年間、姉茉里奈さんとともに「マジック-」で、杉並学院高ゴルフ部監督として石川らの素質を見いだした吉岡氏の指導を受けた。合宿で使用していた4コースの中に鳴沢GCもあった。この日、コースのスタッフに「お帰り」と声をかけられる一幕も。「ここで試合があると知ってすごくうれしかった。優勝して、恩返ししたいですね」。ツアーフル参戦1年目で初勝利の大チャンスが巡ってきた。

 ◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日、群馬・前橋市生まれ。父博昭さんはドラマー、母三枝さんはピアノ講師という音楽一家に生まれ、名前の由来は「愛を奏でるセレナーデ」。7歳でゴルフを始める。06年日刊アマ、08年全国高校選手権優勝。11年にプロテスト合格。5月のサロンパス杯で4位に入り、現在賞金ランク50位。153センチ、50キロ。