田仁智(チョン・インジ、21=韓国)が今年の全米女子オープン優勝の底力を見せつけた。

 首位との3打差を追う最終日は最終組の1組前でプレー。4番パー4でダブルボギーをたたき、差は4打差まで広がったが、以後はノーボギー。後半インは2バーディーを奪い、菊地絵理香と柏原明日架に重圧をかけ、最終18番で3メートルのパーパットを決め、プレーオフに持ち込んだ。

 プレーオフは、大会ホール別難易度1位の18番パー4(423ヤード)での我慢合戦を考慮。「長いホールだから」と8番アイアンを抜き、ロフト角19度のユーティリティーを入れる戦略が3、4ホール目の第2打ではまり、競り勝った。

 日本ツアーは5月サロンパス杯に次いで出場2戦2勝。ともに国内メジャーで高額賞金大会のため計5200万円を手にした。「韓国女子オープンに勝っているし、今年は全米女子オープンも勝った。今大会も日本のナショナル・オープン。昨年から出たかった。今週は韓国で朴セリのトーナメントがあったけど、そっちに出たい気持ちをこらえて、日本に来た」という。

 次の国内メジャーとなる11月の最終戦LPGAツアー選手権リコーカップも、日程を調整して出場する予定だ。「日本の生活はすごく楽しい」-。お気に入りの食べ物は「韓国のものよりおいしい」という納豆だとか。弱冠21歳の“黒船”が「国内メジャー年間3勝の離れ業」を狙う。