賞金女王イ・ボミ(27=韓国)が国内ツアーの歴史を塗り替えた。単独トップから3バーディー、ノーボギーの69で回り通算16アンダー、272で2週連続となる今季7勝目を挙げた。

 今季獲得賞金は2億2581万7057円となり、01年伊沢利光の男子ツアー年間最高賞金2億1793万4583円を上回って国内最高額となった。優勝インタビューでは「信じられないです。人生でこんな1年は、もうないと思いますよ。プレゼントみたい」と目を潤ませた。

 前週の伊藤園レディースで賞金女王とツアー史上初の獲得賞金2億円突破を同時に決めた。昨年9月に亡くなった父ソクジュさんとの最後の約束を果たしても、モチベーションは衰えなかった。「重要だったのは(被災地の)福島で試合が行われたこと。優勝して、福島に寄付できれば最高だと思っていたので」。初めてのプレーとなる福島への思いが、原動力となった。

 この日のゴルフシューズは左足に赤と右足に青と違う色のひもを通し、側面に両国の国旗があしらわれている。「赤が韓国で、青が日本のカラーです。私は日本でこんなにたくさんの応援をいただけるのが、いつも信じられないんです。だから『私も日本が好きですよ』『本当にありがたいですよ』という気持ちで履いています」と明かした。

 平均ストローク(70・1095)でもテレサ・ルー(28=台湾)を抑えてトップに立った。目標を軒並み達成し、残すはLPGAツアーチャンピオンシップ・リコーカップ(26日開幕、宮崎CC)のみ。「メジャーの試合も今年は勝っていないので、勝ちたい気持ちはあります」。笑顔で、今季初の3連勝挑戦を宣言した。