昨年覇者の片山晋呉(42=イーグルポイントGC)が、3打差4位に浮上した。7打差7位から出て6バーディー、3ボギーの69で通算7アンダーの209とした。昨年も最終日に逆転勝ちしており、連覇達成なら2週前の三井住友VISA太平洋に続く今季2勝目で、節目のツアー通算30勝目となる。2位に4打差から出た石川遼(24)はパットに苦しみ3バーディー、4ボギーの73も、辛うじて単独首位を守った。

 秋以降の片山は、毎試合のように優勝争いに顔を出す。1番ではカップ横30センチにつけてバーディー発進。5番、7番、9番では3~4メートルのパットを沈めた。この日は芸人のアントキの猪木の応援を受け「見ててくれるといつもバーディー」と笑う。3打差という逆転圏に「諦める位置じゃないし、チャンスはある」と自信をのぞかせた。

 昨年は1打差4位から出た最終日に65を出し、鮮やかに逆転した。バッグを託していたのは、今季は石川のキャディーを務める佐藤賢和さんで、今回は特別にコンビ再結成。「昨年みたいにやれたらちょうどいい。昨年も(最終組の)1組前だったから」。今回も1組前から、最終組の石川に重圧をかける気だ。

 今季は生涯獲得20億円突破と通算30勝を、目標と公言してきた。前者は前週にクリアした。後者について「いつも言ってきたし、言わないとできないことだから」。これまで同様に、何事も有言実行だ。

 さらに世界ランクも「気にしている」。現在日本選手では松山英樹の14位に次ぐ73位。「でもどう頑張っても年末の50位は厳しい。計算してみたけど」。年末の50位とは来年のマスターズ出場権の意味だ。最近は「今の自分が世界にどのくらい通用するか、もう1度やってみたい」と、世界舞台への再挑戦を目指している。逃げ切りを狙う石川にとって、百戦錬磨の片山は怖い存在になりそうだ。【岡田美奈】