盤石のプレーで、イ・ボミ(27=韓国)が大会2連覇を飾った。

 スタート前、4打差をつけていた2位ペ・ヒジョンに食い下がられ、12番終了時点で2打差に。しかし、13番で10メートルのバーディーパットを放り込み、3打差にすると、15番もバーディー。そのホールをボギーとしたペに、残り3ホールで決定的な5打差をつけた。

 今季2戦目のプロギアレディース以来の今季2勝目。ツアー新記録の出場11戦連続トップ5の最初と最後を優勝で決めた。「うれしいです。プロギアはそれほど調子が良くなくて勝てたのに、その後は調子が良くなってもなかなか勝てなかったから」。

 72ホール競技の最多アンダーパー記録=通算21アンダーにあと1打と迫る20アンダー。強さばかりが際立つ一方、表彰式の優勝インタビューでは涙を流す一幕も。「お母さんが毎日おにぎりを作ってくれて…」。この日朝起きると、いつも同室で寝ている母ファジャさん(54)が「ボミが寝付けないと困るから」と別室のソファで寝ていたという。その気遣いを思い出し、涙があふれた。

 次戦は7月7日開幕のメジャー全米女子オープン。7月11日時点の世界ランクで決まるリオデジャネイロ五輪代表の座をかけた最後の戦いだ。強豪ぞろいの韓国代表は「世界ランク上位4人」が実質的な代表枠で、イ・ボミは現在7番手。それこそメジャー優勝を飾っても“逆転代表”の保証はない、厳しい立場にいる。ただ、1番手の朴仁妃が故障により代表を回避する可能性がある。

 「絶対に無理だと思っていましたが、最後まで頑張ります」。奇跡の扉を開くべく、意欲満々だった。