米国ゴルフ界の“キング”アーノルド・パーマー氏が25日、心臓疾患による合併症のため、米ペンシルベニア州ピッツバーグの病院で死去した。米国ゴルフ協会が発表した。87歳だった。

 石川遼(25=CASIO)がパーマー氏の死を悼んだ。26日、熊本・菊陽町の菊陽南小学校を訪問後、「偉大な方で、心の底からゴルフが好きだった方」と話した。石川は米ツアーのアーノルド・パーマー招待が開催されるフロリダ州ベイヒルCのメンバーで、同氏の“庭”を米国での練習拠点とする。同氏が約50本ものクラブを載せ、カートでコースを回る姿も見た。昨年マスターズ第1日に最後の名誉スターターを務めた同氏が夕方に同コースに戻った際、練習していた石川があいさつに行き「頑張ってね」と声をかけられたのが最後の対面だった。

 石川が同コースを初めて訪れたのは中1の時で、ジュニアの試合だった。パーマー氏は不在だったが、出場選手全員にサイン入りのピンフラッグが配られた。石川はそれを家に飾った。だからこそ09年パーマー招待初出場時は「プロになって、そこの試合に戻って来られたことに感動した」と振り返る。この時に同氏と初対面した。

 「自分の年齢で(同氏と)あいさつしたり、声をかけてもらえるのは貴重な体験」と自覚する。同時に「パーマーさんの気持ちがこもった地で、練習に励んでいきたい」と同氏の魂を受け継ぐつもりだ。【岡田美奈】