ツアー未勝利の香妻陣一朗(22=フリー)が、14年10月マイナビABC選手権以来2度目の首位スタートを切った。パットにさえを見せ、5バーディー、1ボギーの4アンダー68。人気女子プロゴルファー香妻琴乃(24)を姉に持つ新鋭は現在賞金ランク72位。同60位以内の初賞金シード、ツアー初優勝を視野に入れた。片岡大育(27)宮里優作(36)谷原秀人(37)ら4人も首位に並んだ。

 最終18番で2・5メートルをねじ込み、3パットを免れた。香妻は「あんなんばっかりですよ」と苦笑いした。他に1パットのパーを5個重ねた68。綱渡りの首位発進だが、今は結果優先だ。

 プロ5年目だが、ツアー本格参戦は3年目。「今年シードを取れなければ…」と腹をくくった今季、下部ツアー賞金ランクで3位につけ、来季ツアー前半戦出場権は手中にした。しかし、シードが欲しい。現在賞金ランク72位で、シード圏内=60位内は見えてきたが、優勝すれば、来季から2年シードが発生する。

 同じくツアー未勝利の姉琴乃とゴルフの話はほとんどしないが、考え方は不思議と似てきた。「昨年まではシードが目標でした。でも、今年はツアー優勝。ハードルを上げないと、シードも取れない」。姉の口癖も「シードはいい。それより優勝」。今月の下部ツアー、エリート・グリップチャレンジなどで優勝し、勝ち癖はついた。残り3日。狙うはてっぺんしかない。【加藤裕一】

 ◆香妻陣一朗(こうづま・じんいちろう)1994年(平6)7月7日、鹿児島県生まれ。師匠は父尚樹さん。宮崎・日章学園高3年の12年日本アマ3位、同年11月プロ転向。昨季賞金ランク110位。姉は女子プロの香妻琴乃。165センチ、71キロ。