単独首位で迎えた最終日最終組は過去5戦全勝。賞金ランク1位・谷原秀人(37=国際スポーツ振興協会)は“V確率100%”なのだが、今季3勝目、ツアー通算14勝目に王手をかけたムードはかけらもなかった。

 「ショットが相変わらずですね。プロアマ戦からだから4日間、変わらない。なんでこの位置(単独首位)にいるのか分かんないです。ただ、グリーン上(パット)だけは、自分がいいのかなと思うぐらいで」

 前半アウトはパープレー、後半インで4バーディーの32と一気にスコアを伸ばした。見た目では“ムービング・サタデー”と呼ばれる第3日にふさわしいスコアメークだが、苦笑いしか出てこない。

 最終日最終組はツアー通算29度目となるが「迎え方としては、最低です。優勝を意識したら(ショットが)大変なことになる」。かわいがっている東北福祉大の後輩、藤本佳則が6連続バーディーなどで4位まで浮上してきた。「途中で上位に来てるの分かってましたよ。『もうちょっと伸ばせ』と思ってたんですが」と、自分のことより他人のことを話す方が楽しそうだった。