プロ7年目のツアー初優勝へ、工藤遥加(24=セガサミーホールディングス)が首位と3打差3位につけた。終盤8番パー5の第2打で昨年9月に傷めた右脇腹に痛みが走るハプニングに耐え、4アンダーの68。オフには同じ故障を持つ諸見里しのぶと「肋骨(ろっこつ)会」を結成するなど故障とつき合いながら、2年ぶり3度目のツアーフル参戦の今季、必死で結果をつかみにいく。菊地絵理香(28)が65で首位に立った。

 終盤8番パー5。第2打を打った工藤の右脇腹を痛みが襲った。池越えのグリーン手前エッジまで206ヤード。4番ウッドで2オンを狙った。池の向こう岸まで数ヤード地点でバウンドする“水切りショット”となり、グリーン手前ラフへ。アプローチを寄せてバーディーを奪ったが「前に痛めたところと同じです」と顔をしかめた。

 昨年9月の日本女子プロ第3日終了時点で13位につけながら「右肋(ろく)軟骨不全骨折」で最終日を棄権した。オフは体に優しいトレーニングに終始した。呼吸法を工夫して、インナーマッスルを鍛えた。午前8時スタートのこの日は同4時に起床し、ホテルで約2時間も準備運動し、車内で朝食を食べながらコース入りした。慎重を期しても患部がまた騒ぎ始めた。

 それでも、明るさは失わない。昨年12月25日には同じ負傷に苦しむ諸見里らと、無料通信アプリのLINEで「肋骨会」を作って会食。「クリスマスに肋骨会ですよ」と笑って明かした。プロ7年目。本当に結果が欲しい。最終予選会15位の順位で2年ぶり3度目のツアーフル参戦となる今季の目標は、ツアー初優勝&賞金ランク20位内。負傷とつき合う覚悟を胸に秘め、勝負の年を戦う。【加藤裕一】

 ◆工藤遥加(くどう・はるか) 1992年(平4)11月18日、埼玉県所沢市生まれ。東京・日出高卒。11年にプロテストに合格し新人戦優勝。自己最高賞金ランクは14年の53位。父はプロ野球ソフトバンクの工藤公康監督、兄は俳優の工藤阿須加。171センチ、65キロ。