6打差16位から出た世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は1イーグル、1バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの74で回り、通算4オーバーの220で首位と10打差の28位に後退した。

 56年にジャック・バーク(米国)が8打差から大逆転優勝を飾った例はあるが、日本男子初となるメジャー制覇の夢は限りなく厳しくなった。

 ドライバーを右の林に打ち込んだ2番でボギーが先行。予選ラウンドより風の弱まった好条件だったが、6、7番でもグリーンを外して連続ボギー。「状態がなかなか上がってこないのが、そのまま出てしまった感じ」と振り返る。

 後半はアイアンショットに本来の切れ味が戻り始めたが、グリーン上で天を仰ぐシーンを連発。13番パー5は右の林から強気に2オンを決めたものの、3パットでパー。15番パー5では圧巻のイーグルを奪って拳を握ったが、17番は3メートルのバーディーチャンスを生かせない。悪夢は最終18番。10メートルのファーストパットが1・2メートルオーバー。返しのパーパットがカップ右をかすめると、ボギーパットも外して4パットのダブルボギー。イーグルで高まった士気も「最後でかき消されました」とうなだれた。

 スコアに対するパットの貢献度を示すストロークス・ゲインド・パッティングは、決勝ラウンド進出53選手で最下位となるマイナス3・642。予選ラウンドでは入らなくても好感触を口にしていたパットのストロークだが「これだけ入らなかったら、意味ないですよね」と首を振った。

 「最低でもアンダーパーには持っていきたかったですけど、できなかったんで。(優勝の)チャンスはないですけど、しっかりといいプレーをして終わりたいなと思います」。頂点を狙っていた舞台で、18ホールを残して「チャンスはない」と言い切らなければいけない現実。誰よりも悔しくて仕方がないはずの松山は、その足でいつものように練習場へ向かった。