岩田寛(36=フリー)が5バーディー、1ボギーの67で回り、首位と3打差の4位につけた。日米6試合中5試合で予選落ちと不振にあえいできた17年では、初めて第1ラウンドで60台をマークする最高のスタート。米ツアー返り咲きにつなげるためにも、まずは日本で結果を残す。

 今年一番の滑り出しにも岩田節は不変だった。何が良かったかを聞かれ「スコアが、ですね」と苦笑い。内容については「良くないです」と首を振った。

 14、18番と後半のロングホールはバンカーからの第3打をピタリとつけてバーディーを奪うなど、サンドセーブ率100%。それでも「納得いかない」と言い切るのは、得意のバンカーショットは基本的に直接カップインを狙っているから。11番は巧みに寄せてパーを拾っても自らへ怒りをにじませた。今年唯一予選を通った東建ホームメイト杯で観戦した母有美子さんが「なぜあんなに怒っているの?」と驚いた超完璧主義は、やはり一貫している。

 昨季念願の本格参戦を果たした米ツアーではシードを逃し、望みを託した入れ替え戦も最終戦がハリケーン接近で中止となる不運。スポット参戦でポイントを稼ごうにも、当面は米国で出られる試合がない。海外の硬い地面対策を施していたウエッジを今週から再び国内仕様にするなど、目の前の日本での試合に全力を傾ける覚悟を決めている。

 予選ラウンドは勢いのある新鋭星野と同組。スケールの大きな20歳に感じるものはあったようだが「言葉には表せないです」と笑ってけむに巻いた。軽々しいリップサービスを避けるのは「(成績が良かったのが)今日1日だけですから…」という自戒も込めてのこと。納得のプレーができれば、15年7月以来のツアー通算3勝目がおのずと近づいてくる。【亀山泰宏】