松山、石川に後れを取ったとはいえ、14年東建ホームメイト杯ではいきなり首位発進を決める鮮烈なプロデビューを飾った。しかし、結局そのシーズンは8試合で予選通過がわずか2度。賞金ランクも130位に沈んだ。苦しんでいた時、ツアー通算6勝の武藤俊憲に声をかけられた。

 武藤 もっと簡単に稼げると思っていただろう?

 大堀 なめてました。

 武藤 ここは10万、20万を稼ぐ世界じゃない。100万、1000万という大金を稼ぐ世界なんだ。

 武藤は「あれ以降『一緒に練習ラウンドを回りましょう』と誘ってきたり、自分から教えを請う積極性が出てきた」と当時を振り返る。武藤の師匠である谷口の合宿に参加する際も「教えてもらいたいなら自分でお願いしろ」と言われ、ためらわず電話をかけた。貪欲な姿勢は着実に結果へつながりつつある。「初優勝して日本シリーズに出たい」。夢をかなえるチャンスを逃すわけにはいかない。【亀山泰宏】

 ◆大堀裕次郎(おおほり・ゆうじろう)1991年(平3)11月20日、兵庫県生まれ。10歳でゴルフを始め、06年日本ジュニアで3位。中学生の日本代表「チームジャパンジュニア」に石川らとともに選出された。大阪学院大4年時の13年関西アマ、日本アマ優勝。15年には下部ツアー富士ホームサービス・チャレンジで優勝。昨季賞金ランク41位で初のシードを獲得した。182センチ、80キロ。