松山英樹(25=LEXUS)が日本人初の世界ランク(WR)3位に浮上した。「第5のメジャー」最終日を1イーグル、5バーディー、4ボギーの69で回り、通算イーブンパーの288で22位。大会後に発表されたWRで中嶋常幸(87年)と4位で並んでいた日本人最高位を塗り替えた。池田勇太(31)も通算イーブンパーの22位。同10アンダーの金シウ(21=韓国)が大会最年少優勝でツアー通算2勝目を挙げた。

 世界の頂を見据える松山の歩みは、とどまるところを知らない。今大会60位に終わったデー(オーストラリア)と入れ替わる形でWRのトップ3に食い込んだ。昨年10月、今年2月の優勝などでポイントを重ね、予選落ち(マッチプレーの1次リーグ敗退を含む)は今季わずか2度。WR1位D・ジョンソン(米国)とは開きがあるが、2位マキロイ(英国)との差は1ポイントに満たない。着々と世界一への階段を上っている。

 最終日は世界3位の底力を証明するプレーだった。10番までに3つ落とし「80くらい打っちゃうんじゃないか」という悪い流れから巻き返した。11番パー5で2オンに成功し「すごいミスショット。たまたま乗ったんですけど、何か、こうかな? というのがあった」。修正の糸口をつかむと、前日「8」をたたいた13番パー3は4メートルにつけてバーディー。「いいショットだった。リベンジができた」と言った。

 さらにその後が圧巻だ。16番パー5は2・5メートルに2オンさせてイーグルを奪い、名物ホール17番で大会4度目の出場で初バーディー。難関の最終18番もバーディーで締めた。上がり3ホールの計8ストロークは、長い歴史を誇る第5のメジャーでも最少タイ。「最高(のプレー)で終われた」と思わず笑みが浮かんだ。

 もちろん、これで満足はしていない。「遅いですよね(きっかけを)見つけるのが。初日の後半ぐらいだったら、いい争いができるのかもしれないですけど」。自分に厳しく、現状に甘んじない姿勢こそ世界3位の原動力。1カ月を切った6月の全米オープンへ、ここから状態を上げていく。