端正な顔がキリリと引き締まった。男子ゴルフの小鯛竜也(27=フリー)が、ミズノ・オープン(25日開幕、岡山・JFE瀬戸内海GC)に向けて燃えている。

 23日はイン9ホールを練習ラウンド。海風が吹きつけるリンクスコースを入念にチェックした。

 アマチュアの頃から経験していた舞台。弱冠17歳でプロ転向し、苦しみながら15年にこの大会で初めての予選通過を果たした。さらに昨年からは、ミズノと契約を結ぶホストプロとなった。

 23歳で結婚し、2児の父。長女は3歳になる。「子どもができて、自分のゴルフも変わりました」。一家の大黒柱としての責任感が、プレーに好影響を与えた。「ミスをしても、自分だけのことには収まらないですから」。昨季、下部チャレンジツアー開幕戦で初優勝。賞金ランク4位に入り、今季レギュラーツアー前半戦の出場権を勝ち取った。

 その子どもが、今大会は観戦に来る。全国各地を転戦するため家を空ける機会は多いが「奥さんがそういうのが大丈夫な人で、すごく感謝しています。試合も普段は来ないんですが、この試合だけは見に来てくれるんです。下の子が来るのは初めてですし、頑張ります」。力が入らないはずがない。

 イケメン選手として名前を挙げられることも少なくない。「ちょっと恥ずかしいですが、そこはプラスに考えて、注目していただけるのはありがたいことなので…」と笑った後、真顔で続けた。「でも、それだけじゃダメな世界。それは自分もすごく分かっている」。

 今季レギュラーツアー5試合で予選落ちは1度だけ。「まだ自分のゴルフを100%は出し切れていない。まず、目標は賞金シード。現時点では前半戦しか出られないので、限られたチャンスを生かしてしっかり成績を残し、後半戦も出られるようにするのが第1目標。その中で、早く優勝争いをしたい」。ツアー屈指のイケメン選手から結果で話題をさらえる選手へ、地道に階段を上っていく。