日本女子ゴルフ界の国民的ヒロインが第一線を退く。宮里藍(31=サントリー)が26日、今季限りでの現役引退を発表した。03年の宮城・東北高3年時にアマチュアでツアー優勝するなど国内通算15勝、米通算9勝を挙げ、10年には日本女子で唯一世界ランク1位にも輝いた。近年の女子ゴルフ人気の礎を築き、後進にも大きな影響を与えた。29日に都内のホテルで会見を行う。

 宮里は、その実力と人気でゴルフ界を変革してきた。

 ルールを変えた。高3の03年にミヤギテレビ杯ダンロップ女子を制すと、アマのプロツアー優勝者としてはプロ第1号に。後に畑岡も続く「女子高生プロ」の先駆けだった。米ツアーに本格参戦した06年には、前年優勝大会を欠場した際に科された100万円の罰金が一時、撤廃されている。

 競技イメージも変えた。愛らしい笑顔の女子高生プロはテレビCMなどに引っ張りだこ。老若男女に親しまれ、お茶の間で広く知られる存在になった。05年日本女子オープン4日間で集めたギャラリー数4万8677人は、今も残る女子ツアーの史上最多動員記録。

 ジュニア時代からしのぎを削ってきた横峯さくららの活躍もあり、その後の日本ツアーは毎年のように賞金総額が史上最高額を更新。今日のツアー隆盛は宮里なくしてあり得なかった。