日本女子ゴルフ界の国民的ヒロインが第一線を退く。宮里藍(31=サントリー)が26日、今季限りでの現役引退を発表した。担当記者がその素顔を語る。

 宮里の存在を初めて知ったのは19年前。当時大阪桐蔭高3年だった兄優作から「妹も小学生で沖縄の試合に勝ったんです」と聞いた時だった。その2年後には、サントリー・レディースで14歳11カ月の当時最年少で予選通過。以降、女子ブームの立役者になった彼女を追いかけ続けた。

 米ツアー初優勝を遂げた09年の暮れ、沖縄の焼き肉店に花束を持っていくと、宮里は率先して肉を焼き、皿へと運んでくれた。ゴルフ担当から離れた2年前、国内試合をこっそり観戦し、プレー後に会うと「見えてましたよ」。美しい大人の女性になった姿を見て「藍ちゃん、堀北真希に似てきたね」と言うと「(お世辞の)腕を上げましたね」と返された。

 一時はドライバーを振れないスランプに陥りながら復活した強い精神力と、誰にでも気配りできる優しさ。引退は寂しいが、155センチの体で本当に多くの感動を届けてくれたと思う。感謝の気持ちで、ラストシーズンを見守りたい。【98~01、03~12年担当 木村有三】