6年ぶりのツアー優勝を狙う藤本麻子(27=三愛石油)が、単独首位に立った。1アンダーの11位から出て8バーディー、1ボギーの65で回り通算8アンダー。今月8日のスタンレー・レディース最終日に、残り2ホールで3打差を逆転されV逸。その際、上田桃子(31)から「これでもっと強くなれるよ」と激励メールをもらった。その上田も65で回り、通算6アンダーで3位に浮上した。

 悔しさを糧に、藤本が次々とバーディーを重ねた。9番で約10メートルを沈めると、前半だけで6バーディー。自ら「初めてかも。ベストじゃないですか」と漏らすほど絶好調だった。11番でも再び10メートルのバーディーパットを決めるなど65で回り、通算8アンダーの単独首位に浮上。それでも浮かれる様子はなく、2週前の出来事を思い返していた。

 「(上田)桃子さんからラインをもらったんですよ。悔しい思いをして負けても、経験値は必ずアップする。この重圧の中で勝っていかないといけない」

 8日のスタンレー・レディース最終日。16番まで2位に3打差をつけ、11年以来の2勝目は目前だった。だが17番でダブルボギー、18番もボギー。自ら崩れV逸。眠れぬ夜を過ごしていると上田から「これでもっと強くなれるよ」とメッセージが届いた。その上田は「胸が締め付けられた。私もいろんな人に言葉をかけてもらったから」。残り2日。藤本にとっては、2打差に迫る3位上田との優勝争いになる。【益子浩一】