男子ゴルフの石川遼(26=CASIO)が10日、神奈川・横浜CCでジュニアイベント「ファースト・ゴルフ・フェスティバル」に参加した。自ら企画し、昨年に続く2度目の開催となった今年は試合に出たことがない小学生39人が参加。各組アドバイザー同行のもと、試合形式で4ホールをプレーした。

 「まずは“いいゴルファー”を目指してほしい」と、エチケットやマナーを教えることに重きを置いた。幼い頃、夏休みに関東ゴルフ連盟のイベントで自らバッグを担いでコースを回り、勉強した経験が大きかったと感じている。バンカーのならし方、グリーンのボールマークなどについて、父勝美さんも含め「僕には、いい意味でうるさく言ってくれる大人がいた」。表彰式でも重ねて伝えた。「1人のゴルファーを測る上で、スコアの善しあしは全く関係ない。スコアがいいから“いいゴルファー”かと言われたら別の話。スコアが悪いから“悪いゴルファー”かというのも、また別の話。他人を思いやり、一緒に回る友達にもいい影響を与えられるようなゴルファーであってほしい」。

 ラウンド後のデモンストレーションでクラブを握り、高低の打ち分けや自在に曲げるショットで魅了したが「僕は教えるプロではないから」と技術指導は極力控えた。小学3年生で初めて試合に出た時、緊張から練習場で初めて空振りをしたこと、その大会で120台をたたいてブービーだったエピソードも披露しながら「悔しい気持ちがあればうまくなれる」と説いた。

 今後について「今日は、これから試合に出ていきたいという子のために、ゴルフの難しさというよりは競技の大変さ、緊張感を味わってほしかった。自分がもっとすごい選手になって、引き続きこういう活動をしていくことで、子どもたちに与えられる部分を大きくしていきたい」。そして、裾野拡大に向けた活動がプロゴルフ界全体に波及していくことを願っていた。