石川遼(CASIO)が、ツアー史上最年少26歳280日での通算15勝目に王手をかけた。10バーディー、ノーボギーの62で回り、通算14アンダーの202で山岡成稔(25)と並んで首位に浮上した。

 9メートルを沈めた10番で石川のスイッチが入った。「思ったところに打てて、思ったラインで入ったのが大きかった」。14番まで自己最長の5連続バーディー。18ホール10アンダーは、あの「58」を出した10年中日クラウンズ最終ラウンド以来2度目となる、1ラウンド2ケタアンダーだった。「ゴルフをやっていて、すごく楽しい」と笑った。

 2戦連続予選落ちで突入した試合のない2週間から球筋を変えようと試みている。ほぼドローしか打たなかったドライバーで、ストレートボールにトライ。米ツアーでフェード系にチェンジした時期もあったが、当時は不安の残る腰に負担をかけないスイングを模索した結果でもあった。今回は思い描くスイングを実現していく上で、ストレート軌道のボールを打つことが最適と判断。この日部門別45位のフェアウエーキープ率57・14%という数字以上に「ドライバーの球がねじれない」手応えがある。

 変化は内面にも。大会前、自らに問い掛けた。「最近、目指しているところが下がっていないか」。ダンロップ・フェニックスのドナルド(英国)やケプカ(米国)、三井住友VISA太平洋マスターズの松山英樹…。日本スポット参戦で他を圧倒した世界トップクラスの姿を思い描きながら「優勝はしたい。それも自分がいいと思うゴルフをして、2位に4打、5打差をつける勝ち方をしていきたい」と言った。中嶋常幸の28歳333日を上回るスピード記録もかかった2年ぶりVに挑む。【亀山泰宏】