ルーキーの沖せいら(25=福岡センチュリーGC)が、通算9アンダーの135で2日連続首位をキープした。一時は11アンダーで独走し、終盤の連続ボギーも首位を守りきった。沖と17年プロテスト合格同期の小祝さくら(20)ら4人が首位に並び、2打差の中に10人がひしめく大混戦となった。

 2連続ボギーをたたいた後の最終18番。「優勝するなら絶対入れなきゃ」と、沖は2・5メートルの難しいパーパットをねじ込んだ。悪い流れを断ち切って、9アンダーで首位を守った。東北福祉大では松山の1学年後輩で、黄金世代の勝、新垣らと同じ17年プロテストに24歳で合格。今季、開幕2戦目で第2日の1回しかなかったアンダーパーを2日も続け、ツアー初勝利へビッグチャンスをつかんだ。

 「16番にいくまでは満点。16番からショットがぶれ出した」。初めて経験する上位での戦い。疲れと重圧から終盤にリズムを崩した。それを救ったのがパット。あこがれの先輩、佐伯三貴に5月の中京テレビ・ブリヂストン・レディースの後に教えを請うた。「うまくなるんだったら、勉強させてもらった方が、優勝の近道」と、自分から1歩を踏み出した。「パットは練習量」とアドバイスを受け、10歩、15歩、20歩とロングパットの練習を積んで感覚をつかんだ。

 「化粧しないので、そこにこだわるしかない」という頭髪の色でも注目を集める。開幕からバイオレット、シルバー、青っぽい黒と変えて、現在は金髪。「ここまできたら優勝をねらっていきます。優勝してとりあえず金髪から卒業したい」。悲願のツアー初優勝をかけ、沖が最終日に挑む。【桝田朗】