<女子ゴルフ:大王製紙エリエールレディス>◇最終日◇20日◇香川・エリエールGC(6419ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 古閑美保(29=京セラミタ)が優勝を逃し、11年間のツアープロ人生に別れを告げた。優勝すれば、24日開幕の今季ツアー最終戦LPGSツアー選手権リコー杯出場権が獲得できたが、通算5アンダーの11位フィニッシュ。この日は首位と7打差でスタートし、70をマーク。一時は3打差まで詰め寄ったが、力尽きた。

 最終18番パー5で、残り143ヤードの第3打を7番アイアンでピン左9メートルにつけたが、有終のバーディーを逃した。

 「ピンを真っ直ぐ狙ったけど、ちょっと引っ掛かった。左手の握力も多分落ちている。ちょっとしたことなんですが、あれが5メートル、3メートルについていたら、という話。結局、そういうことなんです。今持っている技術では、あれもナイスショットなんです」。

 引退決断の決め手になった故障を感じさせる一打に苦笑いを浮かべた。

 ホールアウト直後は涙をこぼしたが、その後は笑顔満開。ツアー仲間らに贈られた花束に埋もれた。等身大パネルの寄せ書きにはビッグネームがずらりと並んだ。

 「美保ちゃんへ。短いゴルフ人生、でも頑張りましたネ。これからも身体に気を付けて、人生を楽しんで下さい。樋口久子」

 「古閑、おつかれ!!

 いつか遊びでゴルフしようネ!!

 A・Okamoto(岡本綾子)」

 極めつけは…。

 「美保さんへ。おつかれさまでした!

 フェニックスのダブルス楽しかったっす!

 これからも美保さんらしく、明るくがんばってください!

 石川遼」-。

 古閑はインタビューで今後の活動について、ゴルフ中継の解説、ラウンドレポーター、スポーツキャスターなどを口にしたが「基本的には決めていない。でも、決めていないってことは『自由』ってことでしょ?」。大きな声と明るい笑顔で、第2の人生に思いをはせていた。