<男子ゴルフ:UBS日本ツアー選手権宍戸ヒルズ>◇初日◇3日◇茨城・宍戸ヒルズCC(7280ヤード、パー71)

 これじゃ「もったいない王子」だ!

 石川遼(16=パナソニック)は、5オーバーの76で80位と出遅れたが、内容は惜しいプレーの連続だった。開幕前の体調不良の影響が懸念されたドライバーショットは好調だったが、パットが4回もカップに蹴られるなどで、スコアを崩した。4日の第2ラウンドでは「もったいない症候群」から脱出して、国内メジャー初の予選突破を狙う。久保谷健一(36)が、4アンダーで単独首位に立った。

 パットが、一番もったいなかった。最終18番、手前8メートルから絶妙のタッチで打ったはずの遼クンのパーパットが、カップの右隅に当たり、跳ねて止まった。「あ~」と大ギャラリーから落胆の声。カップに蹴られた4回を含め、この日は惜しいパットが10回もあった。「気にしてません。パットの練習をしていないのに、入ってほしいと願うのは高望みだと思う」。いつも通りの謙虚な発言が、強がりっぽく響いた。

 ショットも、もったいなかった。序盤から第1打は的確にフェアウエーをとらえた。しかし、7番パー3の第1打が、グリーン左の斜面に弾んで池に消え、痛恨のダブルボギーで勢いが止まった。「僕はアイアンの練習量では、プロの中で一番少ないですからね」と自虐気味に話した。10番では20ヤードのチップインバーディーを決めるなど、プレーがかみ合えば好スコアが出る可能性はあった。

 最高のプレゼントの効能を試せなかったのも、もったいなかった。2日の練習後、女性ファンから、この日発売された大好きな歌手YUIのCDを贈られた。思わず「これ新曲じゃないっすか?

 これで優勝もらいました」と叫ぶほど舞い上がったが、甘かった。「あんなに喜んでいたのに、遼は結局、曲を聴けなかったんですよ」(関係者)。CDプレーヤーは持ってきていなかった。

 体調が回復した前夜は、残すのが「もったいない」とばかり、夕食でドカ食いした。ブタしゃぶ、マーボー豆腐、ギョーザ、酢の物、豚汁など10皿以上。ご飯は大盛り2杯で、オレンジジュースとコカ・コーラを一緒に平らげた。「体はもう本当に大丈夫です。明日も思い切りやるだけ。やってきたことを出し切れば、予選は通ると思います」と言い切った。「地球環境に優しい大会」を目指す今大会。遼クンは「もったいない」ばかりでは、終われない。【大石健司】