<女子ゴルフ:NEC軽井沢72>◇最終日◇17日◇長野・軽井沢72G北C(6583ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 プロ2年目の原江里菜(20=マスターカード)が圧勝で、ツアー初勝利を飾った。7バーディー、ノーボギーの65で回り、通算21アンダーの195を記録。日本人選手の最多アンダーパー記録(54ホール)を達成した。東北高の先輩、宮里藍(23)を追いかける大器が、遂に潜在能力を爆発させた。李知姫(韓国)が通算14アンダーで2位、横峯さくら(22)が12アンダーで3位に入った。

 原はウイニングパットを沈めると、パターとボールを両手に万歳しながらスキップした。いつもの落ち着きぶりとは違い、20歳らしく喜びを爆発。東北高の同級生、有村に飛びつかれた後も次々と選手に祝福されて、大きな瞳からうれし涙がこぼれた。

 98年伊藤園レディスの服部道子の記録(通算19アンダー)を塗り替える日本人最多アンダーパーの「新記録」で、ツアー初勝利を達成した。「途中からスコアしか見ていなかった」。単独首位に立った前日、05年のクリーマーの大会記録(通算19アンダー)を知って発奮。2番パー5で6メートルのバーディーパットを入れたのを皮切りに、次々とロングパットを決めた。「ミスパットも入ってくれた」と喜んだ。

 待ちに待ったツアー初Vだ。最終日最終組は、プロ1年目だった昨年のSANKYOレディースから数えて5回目。今年4月のフジサンケイレディスでは、上原彩子に逆転Vを許し号泣した。6月のプロミスレディスでは、有村にツアー初Vの先を越された。だが「待てば、私の番が来る」と自分を信じ、試合後のランニングなどトレーニングも徹底。夏場も4試合連続トップ10入りと踏ん張って今回、花を咲かせた。

 応援に訪れた両親の前で勝てたのが、最もうれしかった。母典代さん(46)は「ジュニアの大会も、付き添いなしで行ってました」としっかり者の娘のVにうれし涙を流した。賞金女王の上田が米ツアーから復帰して、9月の日本女子プロには先輩の宮里も帰ってくる。将来の米ツアー挑戦を見据える原は「強い選手と戦えるのは、私しかいないと言われるように頑張ります」と2人とのV争いを願い、早い時期の2勝目を目標に掲げていた。