遼くんが「マムシ打法」を伝授された。石川遼(16=パナソニック)が18日、大阪・茨木CC西Cで9月25日に開幕する男子ゴルフの新大会、パナソニックオープンの記者発表会に出席した。大会ホストプロとして、同コースで腕を磨いた杉原輝雄(71)と初めて一緒にラウンド。レギュラー、シニア含めて通算63勝の「ドン」から、左への曲がりを防ぐアイアン打法を教わった。石川は今週、21日から始まる関西オープン(滋賀GC)に出場する。

 ひと言、ひと言に重みがあった。ゴルフ界の「ドン」から、もらった言葉に石川は真剣に耳を傾けた。「杉原さんからタメになるアドバイスをいただきました。これは絶対にやった方がいいと思った」。

 初めて実現した杉原とのラウンド。後半、石川のアイアンショットが左に曲がり始めると、71歳の「御大」が近寄ってきた。「手首が返り過ぎてる。もうちょっとハンドファーストに構えたら、手首が返らず、左にも曲がらん」。その言葉に、石川は構えたときの手の位置を、こ間の前から左足太ももの前へと移す。同じ7番アイアンで打ち直した球は確かに左への曲がりが少なくなっていた。

 貴重な助言に、さすがに感謝しきりだった。「『アイアンにはアイアンの仕事をさせた方がいい』と言われました。僕はアイアンの飛距離が出ないのが弱点だったけど、教えてもらって球筋が変わった。何年かかってもいいから、練習して身につけたい」。プロ通算63勝の大先輩から「マムシ打法」を伝授され、16歳の目が輝いた。

 今週は、杉原が過去9度も優勝している関西オープンに初出場する。「ドライバーの調子がいいので楽しみ。どんどんドライバーで攻めていきたい」。プロ初Vへ、攻めまくる。【木村有三】