<男子ゴルフ:フジサンケイクラシック>◇最終日◇7日◇山梨・富士桜CC(7397ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 プロ5年目の藤島豊和(27=フリー)が、悲願の初優勝を果たした。通算13アンダーの271で岩田寛(27)とのプレーオフに突入。1ホール目でパーを拾い、ボギーをたたいた東北福祉大の1年先輩を振り切った。単独首位でスタートし、通算25勝の「永久シード」獲得を狙った片山晋呉(35)は1打差の3位。石川遼(16)は通算2アンダーの17位で、今季の獲得賞金が1500万円を突破。16歳最後の試合で、史上「最年少賞金シード」を確実にした。

 足の震えを必死でこらえ、藤島が1メートルのウイニングパットを沈めた。大ギャラリーの取り囲むプレーオフの18番ホール。「みんなが拍手してくれて…。僕のために愛情込めてクラブをつくってくれたスタッフの人に感謝します」。こみ上げる涙で、前が見えなかった。

 最後まであきらめなかった。日本中が沸いた8月の北京五輪期間中、練習もそこそこに、連日テレビにかじりついていた。2大会連続2種目金メダルの競泳北島康介の快挙に、感動した。「北島選手が『絶対に勝てると思い続けていれば、本当に勝てる』と話している姿が、格好良かった」。弱気な性格を押し隠し、自分も前日から「何が何でも優勝します」と公言。その通りに頂点を極めた。

 5番のボギーで、首位だった片山に3打差をつけられても慌てなかった。片山がまさかのダブルボギーをたたいた9番で、8メートルのバーディーパットをねじ込んで一気に追いついた。その後も粘り強く、食い下がり2つのバーディーを積み重ね「日本最強」の男に最終組で競り勝った。プレーオフでも1打目は右バンカー、2打目もグリーン前の深いバンカーに捕まった。「まだ絶対チャンスはある ! 」と思い直し「10回やって1回寄るか」の絶妙なアプローチにつなげた。

 日本アマ2位などの勲章を手に、04年に飛び込んだプロの世界は厳しかった。「自分はプロに向いてないなと思ってました」と振り返る。しかし、前週のバナH杯KBCオーガスタで、ジュニア時代からのライバル甲斐が初優勝。「自分も頑張れば、できるかもしれない」と前向きになれた。大学の3年先輩の谷原の助言を信じて、2日間で1000球も打ち込んで今大会に臨んだ。「今日は神様がついていてくれました」。ベテラン全盛の男子ツアーに、20代の新星がまた1人、現れた。【大石健司】