<女子ゴルフ:SANKYOレディース>◇最終日◇12日◇群馬・赤城CC(6453ヤード、パー72)◇賞金総額9000万円(優勝1620万円)

 プロ2年目の若林舞衣子(ヨネックス)が、20歳125日の歴代6位の年少記録で、ツアー初優勝を果たした。2打差3位から「ゴルフを楽しむ」と決めてスタートし、68で回って通算8アンダー208、初日から首位を走った茂木宏美(31)を逆転した。ジュニア時代から活躍する大器は、今季7人目のツアー初Vを飾り、出世争いに名乗りを上げた。茂木は李知姫(韓国)と並んで3打差の2位に終わり、ホームコースVを逃した。

 「つくり笑顔」が引きつっていた。若林は優勝争いの中、プレッシャーにのみ込まれないために「なるべく笑うようにしていた」。18番でウイニングパットを入れて、やっと笑顔がはじけた。思わず万歳。表彰式ではプレゼンターのタレント志村けんと一緒に「アイーン」ポーズを決めた。うれし涙は最後までなかった。

 プロ2年目でのツアー初優勝で、歴代6位の年少記録だ。「自分でも早い方だと思います。今季はいろいろ経験したので成長できました」。5月のクリスタルガイザーでは古閑美保にプレーオフで敗れた。故郷新潟で開催された前週の日本女子オープンでは2日目に首位と1打差の2位も、3日目に80の大たたきで結局28位。きまじめな性格が逆に災いし、勝負どころで気持ちが入り過ぎ、自らスコアを崩していた。

 その悪循環を反省し、今週は「とにかく自分のゴルフを楽しむ」と決めて臨んだ。この日は1番でグリーン右ラフ17ヤードからチップインバーディーの後、5、6番で連続ボギー。窮地に今週のテーマを思い出して開き直った。10番のバーディーで茂木を逆転。1打差で食い下がる相手を、17番で5メートルのバーディーパットを入れて突き放した。

 アマ時代からトップ選手として活躍してきた。芸能界や他競技と交流の輪を広げる女子プロが増えた中、若林はゴルフ一筋だ。所属のヨネックスと用具契約している大人気の石川遼についても、笑いながら「連絡先も聞いていません」とかわした。プロ入り後はコーチをつけず、練習は独学。スタッフに携帯電話の動画でスイングを撮影してもらうなど、研究心も旺盛だ。今季は同じ20歳の原、有村らがツアー初Vを達成。若林も出世争いに割って入り、活況の女子ゴルフ界をさらに盛り上げそうだ。【佐藤智徳】