<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇3日目◇15日◇静岡・太平洋C御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 石川遼(17=パナソニック)が「今田流スイング」を生かして69、通算9アンダーの207とし、前日の8位から4位に浮上した。前半は2ボギーの38も、後半は予選ラウンドで同組だった今田竜二(32)から「盗んだ」技を駆使し、4連続を含む6バーディー、31の猛チャージを見せた。通算15アンダーで首位の今野康晴(35)とは6打差だが、16日の最終日は逆転の可能性を信じ、1番からエンジン全開で攻めるつもりだ。

 石川がまた魅せた。13番パー3、花道からピンまで15ヤードの第2打をフワリと上げる。グリーンに落ちた球はカップまで一直線。チップインバーディーを決め、この日初めて大きなガッツポーズを見せた。これを口火に16番まで自身ツアー最多タイの4連続バーディー。18番を含め、終盤6ホールで5バーディーの猛チャージを披露した。

 前半は2ボギーと失速した。「まっすぐ打とうとし過ぎて、練習場と違うスイングになってる」と、2日目同様に体が縮こまっているのが原因と、気付いたのが11番だ。大きな素振りを何度も繰り返し、体をほぐすと、第1打で納得のスイングができた。この日初バーディーを奪って悪い流れを断ち切った。

 自分のスイングを取り戻すと、学んだばかりの世界の技が生きた。予選ラウンドで同組だった今田は、75ヤードから100ヤードでのアプローチで、米ツアー全体2位となるパーオン率91・23%を誇る。石川によると「手の通る位置が低いスイング」が今田流。アドレスでひじが緩まずにしっかり伸びて、手の位置が低く、スイング時に手が体に近い位置を通る。ヘッドスピードの安定につながるという。

 そのスイングを2日間で目に焼き付け、この日の朝に練習。前半はかみ合わず、苦しい展開に陥ったが、流れを変えた後半は効果を発揮、快進撃を呼び込んだ。石川は「結果が早く出て、練習のしがいもある」とうれしそうだ。

 悔やまれるのは17番、グリーン奥からの第2打がショートした。「(スイングが)緩んだ。今田さんなら絶対に緩まないところ」。今田から「盗んだ」技をここでは実践し損なった。

 2日連続で前半38、前日は後半34で取り戻すのがやっとだったが、この日はスコアを3つ縮めた。「ちょっと前までは前半のスイングが良くないと、18ホール駄目だった。でも、今は直せる」。首位今野とは6打差にも「(優勝の)可能性はないこともない。まだまだあきらめない」と語気を強め、鍵は2日連続でつまずいた前半の攻略にあるとした。「1番から全開でいければ」と、最終日はスタートダッシュをかけて勝機を引き寄せる気だ。【今井恵太】