<男子ゴルフ:日本シリーズ>◇初日◇4日◇東京・東京よみうりCC(7016ヤード、パー70)◇賞金総額1億円(優勝3000万円)

 今季男子ゴルフツアー最終戦で、石川遼(17=パナソニック)が4バーディー、1ボギーの3アンダー67をマークし、首位に4打差の7位で発進した。序盤はドライバーショットが乱れたが、11番からの3連続バーディーなどで盛り返した。2日目は昨年に続いて今季賞金王の片山晋呉(35)との同組が決定。過度の緊張からスコアを崩してショックを受けて以来、1年ぶりにめぐってきた“再戦”の舞台で、日本の第一人者に挑む。

 会見場でよどみなく質問に答える石川が、言葉をのんだ。2日目は片山と同組と知らされたときだ。「本当ですか!」。その後に言葉が続かず、思わず上を向いた。「まずは明日終わって、優勝争いできる位置で終わりたい」。続けた言葉に「片山」の名前はない。自信は持っているが、あえて興奮を抑えようとしているかのようだった。

 昨年は大会史上初のアマ選手として出場、初日3位で迎えた2日目、ツアー初の最終組で片山と直接対決した。第一人者の威圧感に圧倒され続けて、74とスコアを崩し21位に後退。「ボロボロでした。一緒に回れるだけで満足していた。迷惑かけないようにやろうとだけ考えていた」。66で首位をキープした片山に完敗した。

 あれから1年。世界ランク66位、日本の賞金ランク5位の国内トップクラスのプロゴルファーとして同じ舞台に戻った。過去10年では大会初日最高となる5010人のギャラリー大半を従えてのラウンド。序盤は「最悪。今日で(大会が)終わっちゃうかもと思った」という不調だったが「本気で、死ぬ気で打った」5番の第1打から一変した。10番パー4の第2打では、隣接する17番バンカーのアゴにボールが落ちたが、高さ10メートルのがけ越えで3オンに成功し、8メートルのパーパットをねじ込んだ。

 4番は12メートル、12番は5メートルの距離をパターでねじ込み、最終18番では5メートルの下りのパーパットを沈め、力強く右拳を振った。「いくら何でも長いのは1日1個。まさか…」と驚いていたが、今季の1ホール当たりの平均パット数3位(1・7654)の実力をいかんなく発揮した。

 片山とは今季、10月のブリヂストンオープンの予選2日間、同組で回った。5打差をつけられたが、片山のルーティン(打つまでの手順)を観察し、それ以降、スイング時に右足、左足の体重移動を意識するために足踏みするしぐさをまねた。スイングまでのリズムが一定となったことが、翌週のマイナビABC選手権での初優勝と、それ以降の活躍につながった。

 昨年の2日目のラウンド中、片山から「君は20歳でマスターズに出たいんだって?

 だったらそれまでに何をすべきかを良く考えて努力すること。君ならきっと行けるよ」と声をかけられた。今、17歳での米メジャーのマスターズ出場が視野に入っている石川は「今年優勝して、この舞台に立っている。それなりに自信を持ってできるかな」と話した。1年の締めくくりに、培ってきたすべての力を見せる最高の舞台が訪れた。【阿部健吾】