【バンコク7日=阿部健吾】「打倒欧州」の鍵は、浮島グリーンの8番パー3(145ヤード)にあり。石川遼(17=パナソニック)は7日、9日開幕のアジア対欧州の対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィー」に向け、会場のアマタ・スプリングCCで練習ラウンド。湖の中にグリーンが浮かび、船で渡っていく名物ホール8番では、風の影響を警戒しつつも、バーディーチャンスにつけるなど、攻略への手応えをつかんだ。これまで多くのプロが餌食となったホールで、今回はさらに難度が高くなるように改修されており、本番では勝負どころになりそうだ。
ラウンド前、クラブハウスを見渡した石川が、興奮した。湖にポッカリと1つ浮く島。「あれですか!
すごいなあ。こんな景色は初めて見ました」。名物ホールの8番パー3に、声を弾ませた。
幅約30メートル×前後約50メートルの人工島にグリーン、2つのバンカー、木まで茂る。船でしか渡れないグリーンは世界に2つしかなく、アジアでは唯一。ジャンプした石川は「かすかに振動がする」と話す。今大会に合わせ、それまでの平たんなグリーンから傾斜のある新しいものに替えられており、難度は一層上がっている。
浮島グリーンでは正確にグリーンに落とし、止める技術が求められる。視覚的な重圧もある。「ショートアイアンで打つので風の影響も受けるし、乗せるのは難しいですね」と石川。距離は145ヤードと短く、高い球を打つため、風の計算が重要だ。コースは海から約3キロに位置し、重たい海風が吹く日がある。
そんな中、この日の練習ラウンドで石川はバーディーチャンスにつけた。左からの風の中、8番アイアンでピン右2メートルへ。それでも「いい勝負をしている場面で、このホールを見たらプレッシャーがかかりますね」と本番を見据えた。一方で谷原は船を警戒。「一番怖い。波に揺られているので、グリーンに上がった時に平衡感覚が狂う」。さらに新しいグリーンは芝が張り替えられた直後で「あそこだけグリーンが重い。1ピン(約2・5メートル)につけてもパー狙いですね」と、パットも要注意とした。
同CCに勤める宮田幸枝さんは「土日で2万人ずつの来場者を想定している」という。07年は3日間で2万人。石川の登場で、日系人を中心にタイ国内で急激に関心が高まっている。石川は「(主将の尾崎)直道さんを胴上げできるように頑張ります」と宣言。先手を奪って突き放すか、仮に出遅れても難ホールを攻略すれば流れを引き戻せる。8番の浮島攻略が、勝負の鍵となりそうだ。

