<女子ゴルフ:広済堂レディス>◇2日目◇30日◇千葉・千葉広済堂CC(6365ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 2位から出た横峯さくら(23=エプソン)が、自己ベストタイの64で回って通算12アンダーの132、2位有村智恵(21)に3打差をつけて首位に立った。開眼したパットを武器にこの日は8バーディーを量産した上、今大会36ホールでノーボギー。追う有村も「お手上げ状態」となる完ぺきな内容だった。最終日もボギーなしで優勝すれば、ツアー史上4人目の快挙。今季2勝目に一番乗りとなり、公言している賞金女王の座にまた1歩近づく。

 自己ベストタイの64をマークしても、絶好調の横峯にはさらに上を目指せた感触が残った。

 横峯

 あともう3つくらいは、もったいないのもあったので。もう少しいけてれば。

 最終日を含め3日間連続同組となる2位有村に「横峯さんが落ちてくるのは考えられない。追いつきたいが、横峯さんの強さを吸収して、今後につながるようにしたい」と言わしめる内容だった。今大会最難関の平均ストローク4・4830の16番パー4では、有村がパーオンできず、1メートルのパーパットも外したのに対し、横峯はピン4メートルにつけバーディーとし、3打差に引き離した。それでも満足はしなかった。

 今季は賞金女王取りを宣言し、既に賞金ランク1位とし、部門別データでも7部門中4部門で1位。最も進歩したのは、昨年8位(1・8021)から1位(1・7581)としている平均パット数だ。

 「自分で考えた」というパット練習法の効果だ。3月の今季開幕戦から、カップではなくティーペグを狙う練習を続けている。直線上に1ヤード刻みにティーを差し、左端の1本を的にし、まずは1ヤード地点のティー前から球を打って当てる。次は2ヤードからと、距離を延ばしながら当てていく。カップより小さいティーを使うことで、精密なコントロールを磨いている。

 この日も「狙ったところに打ち出せていた」と4メートル前後を沈め続けた。雨で止まりやすくなったグリーンをデッドに攻め、パーオンを外したのは2回だけ。グリーンが小さく、乗ればバーディーチャンス。好機を逃さなかった。

 前週ブリヂストンレディス11位で、開幕から9試合連続10位以内の新記録は逃した。だが2日間ボギーなしで、新たな記録が見えてきた。ボギーなしで優勝すれば、03年ミズノクラシックのA・ソレンスタムら3人に次ぐ4人目の快挙だ。「最低でも60台を目標にしたい」。今季2勝目に加え、元世界女王に並ぶ記録まで、あっさり成し遂げてしまいそうな勢いだ。【阿部健吾】