<女子ゴルフー:サントリーレディス>◇初日◇11日◇兵庫・六甲国際GC(6457ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 大阪学院大4年のアマチュア新里菜苗(22)が3アンダーの69で回り、首位と2打差5位と好発進した。サッカー日本代表FW岡崎慎司(23)と同じ兵庫・滝川二高出身。W杯へ導くゴールを決めた1年先輩の岡崎に続き、今週は女子大生ゴルファーが名前を全国にアピールする。一ノ瀬優希(20)ら2人が5アンダーの67で首位。メジャーの全米女子プロを欠場して参戦した宮里藍(23)は3オーバー75で75位と出遅れた。

 泥くさいヘッドでW杯へ導いた先輩に負けじと、新里もしぶとくパーを拾った。第1打を右に曲げた1番パー5では、残り100ヤードの第4打を5メートルにつけ、スライスラインをねじ込んだ。「アプローチとパターで何とか耐えられました」。プロツアー4戦目で初の60台となる69で、首位と2打差5位発進だ。

 同じ滝川二出身の先輩岡崎に刺激を受けた。岡崎は6日のW杯アジア最終予選ウズベキスタン戦で決勝ゴール。「うとうとして決めた瞬間は見逃したけど、やったんや~、すごいなって思った」。学校では話したこともないが、サッカー部主将の岡崎は女子高生のあこがれだった。「私も、続きたいです」。一気に全国区になった先輩同様、新里も名前を売る好機だ。

 親孝行もしたい。保険の営業を仕事に持つ母清香さん(47)との母子家庭で育った。この日、清香さんは朝6時に新里を会場まで送ってから会社へ向かい、仕事を終えるとまたコースに逆戻り。そんな母に「恩返ししたい」と力を込める。プロを目指し、今年のツアー予選会に挑戦予定。「今日のスコアは自分でもびっくり。予選通過が目標」。現時点での実力を測る舞台に目を輝かせた。【木村有三】