<女子ゴルフ:IDC大塚家具レディス>◇初日◇30日◇埼玉・武蔵丘GC(6561ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 若林舞衣子(21=ヨネックス)が8バーディー、1ボギーの7アンダー65で、全美貞(韓国)とともに首位に立った。昨年10月のSANKYOレディースでプロ初優勝。同じヨネックスと用具契約を結ぶ石川遼とともに躍進を期待されるも、今季は勝負どころでパットが決まらず未勝利が続いている。最近も2週連続予選落ちだったが、3打差5位の服部真夕(21)ら同期の励ましで自信を回復。この日は4メートル以内のバーディーパットを8回沈め、プロ初の首位発進を決めた。

 面白いようにパットが決まった。若林は1番で3メートルのバーディーパットを沈めると勢いに乗る。2番で4メートル、4番で3メートル、5番で4メートル、6番で1メートル、8番で4メートルのバーディーパットをねじ込む。「狙い通りに入った」。後半も2バーディーを奪って、この日は7アンダーの65。同コースでの大会記録で、プロ初の初日首位に立った。

 プロ2年目の昨年、10月のSANKYOレディースでツアー初優勝。複数勝利を期待された今季は最終日最終組を3度回ったが、土壇場でのパットが決まらず勝ちきれなかった。9月のマンシングウェア東海クラシックでは最後まで優勝争いに参加しながら、最終18番でまさかの4パットをたたき、3打差で勝利を逃した。直近も2週連続の予選落ちと「何でも悪く考え、いじいじしていた」と最悪の状況を振り返った。

 支えは服部真、一ノ瀬優希、中村香織の同期たちだった。ほぼ毎日、一緒に食事するほど仲が良い同期から「自信を持ちな」と励まされた。今大会前夜も、みんなで会場そばにある先輩プロ木村敏美の自宅のバーベキュー大会に参加。焼き肉、カレー、烏骨鶏(うこっけい)の高級卵に舌鼓を打ち、気分転換に成功した。

 この日、服部真も3打差5位。良き仲間といえども、コースではライバルに変わる。「明日からも目の前の1打に集中していきたい」。同期との上位争いを励みに、若林が逃げ切りを狙う。【田口潤】