<男子シニアゴルフ:HANDA

 CUPシニアマスターズ>◇最終日◇28日◇埼玉・おおむらさきGC(6842ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2160万円)

 倉本昌弘(55=フリー)が、逆転優勝で初の賞金王に輝いた。2打差3位でスタートし、好調なショットで65をマーク、通算17アンダー271とし、2位東聡(50)らに4打差をつけてシニア今季2勝目、通算3勝目を挙げた。来季はレギュラーツアー最年長優勝記録(尾崎将司=55歳7カ月29日)更新を視野に入れる。全日程が終了し、賞金ランク30位の佐野修一までが来季シード権を獲得した。

 鮮やかな逆転Vに倉本の口は軽かった。「勝因より、みんなに敗因を聞いた方がいいじゃない?」。3日目首位の東、ミノザが伸び悩む中、7番50センチから3連続バーディーで逆転。12番で6メートルを入れ、ボギーの2人にとどめを刺した。

 レギュラー賞金ランクでは2位2回(81、85年)などベスト5に8回入ったが「縁がなかった」という賞金王。米シニアを経て、レギュラーと掛け持ちで本格参戦した今季、91年石井裕士(5226万円)に次ぐ歴代2位で高額で転がり込んできた。「1試合1試合の積み重ね。1年間のご褒美だと思う」と初戴冠を喜んだ。

 同年齢の室田に「最近クラさんらしくないよ」と言われ「自分らしいゴルフってなんだと再発見した。伸び伸びしてなかったり、怖がったり、ちゅうちょしたりしていたのに気付いた」という。尾崎将司が持つ最年長レギュラー優勝記録更新は来年5月上旬以降に巡ってくる。「今程度(のゴルフ)じゃだめ。オフを大事にしたい」と、思いは既に大きな目標に向いている。【赤坂厚】