<女子ゴルフ:日本女子オープン>◇初日◇29日◇愛知・名古屋GC和合C(6383ヤード、パー70)◇賞金総額1億4000万円(優勝2800万円)

 昨年大会覇者の宮里美香(21=NTTぷらら)が、史上2人目の日本タイトル連覇へ、首位発進した。大会恒例の難セッティングに対し、要所でナイスパーを拾い、4バーディー、4ボギーの70。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)樋口久子相談役(65)が今大会と日本女子プロを連覇した76~77年以来34年ぶりの快挙を目指す。

 宮里美のボールは、厳しい右ラフにあった。後半16番パー4の第2打はフェアウエーに出しただけ。残り86ヤードの第3打を、ウエッジでピン80センチにビタッと寄せた。前半は3、4番ではガードバンカーから2メートル前後に寄せて、ねじ込んだ。

 「よく我慢できました。あの3つのパーが大きい」。アンダーパーの選手がゼロ。日本女子オープン恒例の難設定コースで“想定内”のピンチをしのいだ。パープレーの首位は満足だ。

 開幕前日までの3日間、重点的に調整した3点がきれいにはまった。「100ヤード以内のショートゲーム」。5ヤード刻みに目標物を置き、キャリーを打ち分けた。「バンカーショット」。先日の台風後、修繕のためにかき混ぜられた砂は簡単に“目玉”になるほどソフトだった。だから、打ち方を何度も確認した。「2メートル前後のパット」。パーオンを逃した時、残りがちな距離のストロークを反復した。

 昨年大会優勝から1年。今季はナビスコクラフト選手権7位、全米女子プロ8位、全米女子オープン5位と海外メジャー3試合でトップ10。培った底力と危機管理能力は、筋金入りだ。

 日本最高峰競技の前年覇者という重圧は、強烈だった。スタートホールで「ティーを刺す手が、すごく震えて…」。アマチュアとして14歳でツアー初出場した03年ダイキンオーキッド以来のドキドキ感。樋口久子以来史上2人目の“日本タイトル連覇”へ。「せっかくのチャンス。挑戦したい気持ちはあります」。偉業に1歩近づいた。【加藤裕一】