3月2日のダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)を皮切りに開幕する女子ゴルフ国内ツアーを直前に控え、プロ4年目の藤本麻子(21)が富士通と所属契約を結んだことが27日、明らかになった。優勝72回を誇る日本女子プロゴルフ協会前会長の樋口久子(66)と同じ所属先となり、同社は樋口級の活躍を期待する。また4年後の16年リオデジャネイロ五輪でゴルフが正式競技に採用されることも見据え、複数年契約を締結したという。今日28日にも正式発表される。

 プロ4年目を迎えて富士通との所属契約が決まった藤本は気持ちを高揚させていた。今年で30回目を迎える富士通レディースの開催を続ける同社の看板を背負うことになり「良いプレッシャーがあり、幸せものだと思います」。アマ時代、富士通レディースで2年連続でローアマを獲得した経緯もあり「相性のいい大会。コースの相性もいいし、今年が楽しみになってきました」と声を弾ませた。

 同社は99年から日本女子ゴルフ界をけん引してきた樋口久子と所属契約を結んでおり「藤本選手とも期待を込め、末永く契約を続けていきたい」と明かす。また16年リオデジャネイロ五輪でゴルフが正式競技として採用されることもあり「五輪を見据え、藤本選手と契約を考えました」と長期契約が視野にあるという。

 もともと海外志向が強い藤本は2年前のオフに現在、世界ランク1位の曽雅■(台湾)や宮里美香と合同合宿を行った経緯がある。藤本は「世界で名前が通る富士通の名に負けないように、という気持ちがあります。海外にも…という気持ちは、やはりあります」と強調した。今月22日には都内の富士通本社を訪問。早速、同社製のパソコン、スマートフォン、タブレット端末を贈られ「ブログ更新などで積極的に使っていきたい」と口にした。

 今オフは昨年から不定期で指導を受けている過去2度の賞金王に輝いた谷口徹と10日間、宮崎で合宿を行った。昨年の伊藤園レディスで初優勝した前週に谷口と会い、約2時間の指導を受けていたことも明かし「今回は他選手との駆け引きなどのメンタル面を教えてもらいました。今年の目標はうまい選手ではなく、強い選手になりたい」と決意を新たに12年シーズンを迎える。【藤中栄二】※■は女ヘンに尼

 ◆藤本麻子(ふじもと・あさこ)1990年(平2)5月28日、岡山・津山市生まれ。幼稚園のころから極真空手を習い1級の腕前。スキーなどのスポーツ歴は豊富で、ゴルフは10歳から父信吾さんに勧められて始める。作陽高1年時の06年大王製紙エリエールでは2日目に65をマークし、首位浮上(最終10位)。09年に日本女子アマを制覇し、プロ合格。15歳から石川遼を指導する仲田健トレーナーに師事。昨年の伊藤園レディスで国内ツアー初優勝。164センチ、59キロ。

 ◆日本女子ゴルフの若手注目株

 昨年のツアーで初優勝を飾った金田久美子、笠りつ子、藤本麻子には複数優勝の期待がかかっている。初シードとなった大江香織と木戸愛も、今年のツアー初Vを達成できる実力は十分。新人では日本女子プロゴルフ協会とスポンサー契約を結んだメルセデス・ベンツが支援サポートする3人(豊永志帆、香妻琴乃、工藤遥加)や斉藤愛璃らの活躍も注目されている。