<女子ゴルフ:ワールドレディスサロンパス杯>◇2日目◇5日◇茨城・茨城GC西C(6649ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 5アンダー5位で出た宮里藍(26=サントリー)が3バーディー、4ボギーの73で回り、通算4アンダー140の10位に踏みとどまった。突風の影響でショットが安定せず、スコアメークに苦しんだ。首位と7打差になったが、国内シード権の再奪取を視野に入れ、ネバーギブアップで逆転優勝を狙う。

 波に乗れなかった。初日に比べ、宮里のショットに乱れが出た。原因は突風。4番パー4の第2打、最初に手にしたユーティリティー4番を「自分の感覚では足りない」と、より飛距離の出る7番ウッドに変更した。ところがグリーンを越えて飛び過ぎ、左奥ラフに入れてボギー。「いまひとつ決断力が良くなかった」。バーディーを奪っても直後にボギー…そんな出入りの激しい内容で、気がつけば首位のプレッセルと7打差まで広げられた。

 だが優勝の可能性がある限り、諦めない。「ちょっと差はありますね」と話した後に、こう続けた。「まだまだ上位に食い込める」と。87年の岡本綾子以来、25年ぶりの日米連続ツアーV、09年10月のSANKYOレディース以来となる国内Vの期待もかかる。ホステスプロの重責もあるが、そんな注目度とは別に、宮里には今大会を制したい強い思いがあった。

 今季から国内シード権を失った。今回のサロンパス杯は世界ランクで出場資格(30位以内)の権利があった。「藍人気」もあり、この日のギャラリー数は10年大会最終日の1万3202人を上回る1万3704人と過去最多を記録。希望すれば国内ツアーで主催者推薦を受けられるが、代わりに1人が出場できなくなる。関係者は「それはあまりしたくない」と明かす。勝てば年内を含めて翌年から3年間のシード権を復活させることが可能となるだけに、できるだけ早く優勝したかった。

 宮里

 モーガン(プレッセル)は昨日、今日とボギーを打っていないのはすごい。もともと彼女はショットが曲がらない。もう自分がスコアを伸ばしていくしかない。伸ばしていくしか道はないので、開き直っていくしかない。

 最後に藍が勝つ-そんな期待感を持たせるオーラを、宮里は放っていた。【藤中栄二】