<女子ゴルフ:日本女子オープン>◇3日目◇29日◇横浜CC西C(6545ヤード、パー72)◇賞金総額1億4000万円(優勝2800万円)

 木戸愛(22=ゼンリン)が“世界女子オープン”最終日に最終組で臨む。3バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバー217の首位に立った。世界ランク上位10人中8人、今季海外メジャー勝者3人が顔をそろえる大舞台で、堂々のプレー。身長172センチ、股下84センチのモデル級のルックスもあり、新しいスターとしての人気爆発を予感させた。

 最大のピンチを、ポジティブシンキングで乗り切った。14番パー3。イーブンパーで単独首位の木戸は、第1打をグリーン右の池に落とした。しかし「いいイメージは出ていた」と、あえてピンまで191ヤードのティーグラウンドからの打ち直しを選択した。池に近いピンを強気に攻めた2球目は、右1・5メートルにピタリ。見事ボギーでしのいだ。

 サマンサタバサレディース優勝を決めた、最終日17番のバーディー時より多い、こぶしを6回振ってのガッツポーズ。「もう少しグリーン中央を狙っていたのですが、ちょっと右に行っちゃいました(笑い)」。勢いに乗り、続く15番パー5でバーディー。再び単独首位で試合を引っ張った。

 17番パー4では、1メートルのパーパットを外した。それでも「3打目のアプローチがピンに当たらなかったら、ダブルボギーだったと思う」とニッコリ。「ボギーでプンプンしないで、次の18番でバーディーチャンスをつくれた自分をほめたい」と前向きにとらえた。

 今大会で“競演”しているのは、米国で活躍する宮里藍、宮里美、上田らだけではない。世界ランク1位の曽雅■、今季海外メジャー勝者のフォン・シャンシャンらもプレーする。そんなかつてないハイレベルな顔ぶれを抑え、最終日を最終組で迎える。

 身長172センチ、股下84センチのモデル級ルックスに加え、実力も急上昇。さらに世界レベルの今大会での快進撃に、この日は宮里藍に次ぐ、多くのファンが付き従った。米ツアー進出を予定する有村の後を受け、国内ツアーの人気を支えるスターとしての期待も高まる。

 「でも自分は1歩1歩、着実に進んでいきたいです。尊敬する上田さんからも、ウサギじゃなくカメで行きなさいと言われますし。明日も結果に反応せず、自分のベストを尽くします」。代名詞とも言うべきさわやかなスマイルで、最後まで戦い抜く。【塩畑大輔】※■は女ヘンに尼